マッチは木や紙などでできた細く短い軸の先端に、発火性のある混合物(頭薬)をつけた形状をしている。リンの燃えやすい性質を利用している。19世紀半ばには側面に赤燐を使用し、発火部の頭薬に塩素酸カリウムを用い、頭薬を側薬(横薬とも)にこすりつけないと発火しない安全マッチが登場した。
発火点は約150度。マッチは一度濡れると頭薬の塩素酸カリウムが溶け出てしまうために、それを乾かしたとしても使えなくなってしまう。そのため、防水マッチが考案されている。
かつてはあらゆる着火に用いられたが、現在ではコンロやストーブなどの火を使う製品にはほぼもれなく着火装置が付き、タバコの着火用としてもライターが普及、さらに喫煙率の低下もあって、マッチの需要は大きく低下している。実際の用途としては、仏壇のある家庭でロウソクの着火用や、学校などで理科の授業にガスバーナーを点火するためというのが多い。なお喫煙器具の一種であるパイプは炎が横に噴き出る専用のライターもあるが流通が限定されるため、マッチが利用されている。