ドライミストは、水を微細な霧の状態にして噴射し、蒸発する際の気化熱の吸収を利用して主に地上の局所を冷却する装置。水の粒子が小さいため素早く蒸発し、肌や服が濡れることもない。ミストとは霧のことであり、「噴霧」「霧散布」「ミスト散布」とも呼ばれる。英語では「mist spraying」と言われている。
霧による冷却はエアウォッシャー(Airwasher)を備えた蒸発冷却として、古くは千葉県庁(明治43年)や東京大学六角講堂(大正3年)に採用されたと言われる。
ドライミスト発案者は当時名古屋大学教授の辻本誠。2002年に参加した屋上緑化に関する会合の際に、手間もコストもかかる屋上緑化の代替手段として直接水を散布し気化熱を利用する方法を思いついた。その後、経済産業省の地域新生コンソーシアム研究開発事業を利用し、名古屋大学、清水建設、能美防災、中部電力、川本製作所、トーキンとの共同開発を経て実用化にこぎつけた。2007年には、住宅向けの小規模設備も開発された。
能美防災によれば、ドライミストは周辺の気温を2-3度下げることができ、必要なエネルギー消費は家庭用のエアコンの約 1/20 という。