自分の先祖から受け継いだアイヌ語やアイヌ文化の魅力を発信する大学生YouTuberとして番組を作っているのは関根摩耶さん。アイヌの方が多く住む北海道日高地方の二風谷(にぶたに)出身で、現在は慶應義塾大学の3年生です。彼女が去年4月から始めたのが、YouTubeの「しとちゃんねる」です。関根さんと相方のヨーピンさんの2人による「こんにちは」という意味のアイヌ語「イランカラプテ」から始まります。「しとちゃんねる」の「しと」は、アイヌ料理のお団子の意味です。
関根さんは大学に入ってから、友人たちとアイヌ語の勉強会などを開いていましたが、もっと気軽にアイヌ語やアイヌ文化に触れて欲しいという想いから、「しとちゃんねる」を始めました。短い回は2分半ぐらい、長くても5分前後の内容を、ほぼ週1回ペースで更新しています。
関根さんは中学・高校時代は二風谷の実家を離れて札幌の学校に通っていたのですが、その時は一般的な日本人、普通の日本人になりたいという気持ちがあって、周囲に、“アイヌ”であることを敢えて明かしませんでした。
でも高3になって、将来のことを考えるにあたって、自分に何が出来るか、自分が何を持っているかと考えた時に、“アイヌ”であることが、己のアイデンティティーであるとわかったんだそうです。