ハーポのキャラクターの特徴は、彼が決して喋らないことにある。台詞を中心としたグルーチョとチコのスタイルとは対照的に、ハーポの演じるギャグは視覚的だった。
特に小道具を用いることが多く、トレードマークである大きなコートのポケットから様々な奇想天外なアイテムを取り出すことで笑いを生む手法が定番だった。
言葉を使わずに意志を表現するために、パントマイムの技術もしばしば用いた。仕草やオーバーな表情で表現したり、口笛やこれもトレードマークの一つであるクラクションを鳴らすことで周囲とコミュニケーションを取るという手法がとられている。
さらに、ハーポは赤みがかった金髪の巻き毛のかつらや、シルクハットを身につけ、キャラクターを際立たせていた。
パラマウントとの契約満了後は、グルーチョ、チコと共に1949年まで映画出演を続ける。映画界を離れたのちは目立った活動はなかったが、しばしばテレビに出演し健在ぶりを見せ、ときには映画では聞くことのできなかった肉声を披露していた。1961年には自伝『Harpo Speaks』を発表した。
ハーポは1964年9月28日に、ロサンゼルスにおいて心不全で死去した。グルーチョの息子アーサーはのちに、父が泣いているのを見たのはハーポの葬儀の際だけだったと語っている。