青森県弘前市のねぷた絵師三浦呑龍(どんりゅう)さん(67)のねぷた絵を撮り続けている市役所職員時代の元同僚皆川浩平さん(64)が、撮りためた画像を使ったマスキングテープと絵はがきを作成した。祭り本来の雰囲気を伝える、少し暗めの落ち着いた色調の図柄で、外国人の人気も呼びそう。マスキングテープの試作品は既にツイッターで話題になっているという。いつもと違った夏、「ねぷたを身近に感じて、いつか弘前に本物を見に来てもらいたい」と三浦さん、皆川さんは語る。
マスキングテープは緋牡丹(ひぼたん)お竜、楚の虞姫(ぐひめ)など五つの絵柄を使った「勇壮・華麗」と地獄太夫、母夜叉孫二娘(ぼやしゃそんじじょう)などの「幽玄・妖艶(ようえん)」の2種類で各500円(税込み)。絵はがきは、2018年に出した絵はがきの第2段で、前回省いた、祭り本来のおどろおどろしい絵柄も含めた10枚入りセット千円(同)。
元々、非売品として作ったが「欲しい」「どこで手に入るのか」といった声が寄せられ、販売することにした。マスキングテープは、若い女性を中心にブームとなっており、手帳、スケジュール帳、雑貨の装飾など幅広い用途がある。
「お囃子(はやし)も聞こえず、今年はねぷたの夏のような感じがせず、気持ちが燃えない」と話す三浦さんだが、マスキングテープや絵はがきを通じて「弘前ねぷたに目を向けてもらうチャンス。興味を持つ人が増えてくれれば」と語る。共に市内の書店、観光施設などを中心に近く販売を始める予定。
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