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Channel: スチャラカでスーダラな日々
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岩木山 お山参詣

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[昭和34年9月] 中日ニュース No.295_1「豊作祝う“お山参詣”」

岩木山お山参詣津軽地方のどこでも眺められる岩木山(標高:1625m)は、日本山岳信仰の典型とされる。その中で最も特微的なのが毎年旧暦8月1日、例大祭の日に岩木山に集団登拝して御来光を拝む「お山参詣」。

岩木山五穀豊穣、家内安全を祈願する津軽最大の秋祭りは、御神体である岩木山と一体になることで自己の浄化を目指すとされ、国の重要無形民俗文化財に指定されている。お山参詣でのかけ声(祝詞)は、けがれのない身になって巡礼するという深い意味がある。古くは男性のみが登拝を許された。約10日前から精進潔斎に入り、御幣や幟などを仕上げ、出発までにお供え用の餅をつく。

旧暦7月末日、村落内の先達に伴われて出発し、数メートルにもおよぶ御幣・幟を捧持し、登山囃子に合わせて「サイギサイギ、ドッコイサイギ、オヤマサハツダイ、コンゴウドウサ、イーツニナノハイ、ナンムキンミョウチョウライ」と唱え言を歌いながら徒歩で岩木山神社に到着する。社前に供物・御幣・幟等を奉納し、ヤドで休憩する。

登拝者は夜中にヤドを出発する。登山口は岩木山神社に近い百沢口を利用する場合が最も多い。楼門脇の禊場で身を浄め、松明を持ち、「サイギサイギ…」と歌いながら真夜中に約8キロメートルの行程を4時間程かけて登山する。急斜面の難所を経て、錫杖清水で身を浄め、種蒔苗代で豊凶を占い、山頂に達して奥宮に御幣・御神酒などを奉納し、8月1日の御来迎を拝む。駆けるように下山して登拝の無事を岩木山神社に報告し、バダラ踊りをして帰途につく。

この登拝行事は、村落内の古老を先達に集団登拝するという形でなされ、幼少期に初登拝するのをよしとされているほか、途中の種蒔苗代で豊凶の年占を行い、奥宮の堂の神前で大騒ぎし、下山にあたって五葉松の一枝を折って帰るなど、よく古風をとどめている。収穫感謝や生業の無事を祈り、家内安全を願う地域的特色ある信仰行事の一つとして重要である。

1969 岩木山 お山参詣

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