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旧暦7月末日、村落内の先達に伴われて出発し、数メートルにもおよぶ御幣・幟を捧持し、登山囃子に合わせて「サイギサイギ、ドッコイサイギ、オヤマサハツダイ、コンゴウドウサ、イーツニナノハイ、ナンムキンミョウチョウライ」と唱え言を歌いながら徒歩で岩木山神社に到着する。社前に供物・御幣・幟等を奉納し、ヤドで休憩する。
登拝者は夜中にヤドを出発する。登山口は岩木山神社に近い百沢口を利用する場合が最も多い。楼門脇の禊場で身を浄め、松明を持ち、「サイギサイギ…」と歌いながら真夜中に約8キロメートルの行程を4時間程かけて登山する。急斜面の難所を経て、錫杖清水で身を浄め、種蒔苗代で豊凶を占い、山頂に達して奥宮に御幣・御神酒などを奉納し、8月1日の御来迎を拝む。駆けるように下山して登拝の無事を岩木山神社に報告し、バダラ踊りをして帰途につく。
この登拝行事は、村落内の古老を先達に集団登拝するという形でなされ、幼少期に初登拝するのをよしとされているほか、途中の種蒔苗代で豊凶の年占を行い、奥宮の堂の神前で大騒ぎし、下山にあたって五葉松の一枝を折って帰るなど、よく古風をとどめている。収穫感謝や生業の無事を祈り、家内安全を願う地域的特色ある信仰行事の一つとして重要である。