日立連合ねぶた・ねぶた師 北村 蓮明
市長賞・運行・跳人賞・囃子賞【総合3位】
ある祭りの夜、田名部の三郎はお宮から、こっそり権現さまを盗み出していた。高い値で売りさばこうと小舟に積み込み函館を目指していると、突然空がまっ暗になり、大粒の雨が音をたてて降り始め海は大荒れ。慌てた三郎は権現さまの布の端をぎっしりつかんで離さない。
権現さまは三郎をぶら下さげたまま、ものすごい勢いで嵐の空へ舞い上がったのである。横浜村の近くへ来くると大きく宙返りをし、海のそばの大きな岩にふわりと下りると疲れた体を休めるように動かなくなった。
この時から吹越の権現さまは横浜村の八幡様さまに納められ、この村を火事から守っている。権現さまは、現在も横浜町の八幡神社に祀られている。
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