なぜ渋谷はサッカーで、これほど盛り上がるのか?それは「代々木公園」や「代々木第一・第二体育館」など東京オリンピック開催以来、スポーツ文化を育み、スポーティーでカジュアルな雰囲気が街全体に漂っていることが挙げられる。代々木公園ではスポーツイベントに限らず、アースデイやタイフェスをはじめ、ストリートライブなど大小様々な野外イベントが開催されるため、「イベント=渋谷」というイメージが擦りこまれている。近年は、東急東横店西館屋上や宮下公園などの駅周辺にフットサルコートもでき、ますますサッカー色が色濃い街になった。サッカーで盛り上がりたい街として渋谷が選ばれるのは不思議ではない。
もう一つシンボル的な場所として、スクランブル交差点が選ばれている。渋谷駅周辺の地形をみれば、道玄坂、宮益坂などの坂に囲まれ、その谷底に位置するのがスクランブル交差点。「スリバチ」と呼ばれるユニークな地形であることから、居酒屋やスポーツバーなど各店に分散しスポーツ観戦や応援で盛り上がった人々が、試合終了のホイッスルと共に坂から谷をめがけて一気に動き出し、最終的に駅前に殺到する。そのため人口密度が高まり、結果的に他エリアより盛り上がっているというイメージを与えやすい。その状況をまたメディアが取り上げた結果、人がより集まってくるという構造も生まれている。