セーラー服は、セーラーカラーと呼ばれる独特の形状をした大きな襟が特徴のトップス。世界中で海軍の軍服として使用され続けている他、19世紀後半から20世紀初頭にかけて子供服や女性のファッションとして世界的に流行した。
セーラー服タイプの女子学生の制服は、コスプレ文化と共に「"Sailor fuku"」の名で世界中に広がっている。
日本に初めて学校制服としてセーラー服が導入されたのは諸説あるが、最初に女子生徒用の制服としてセーラー服を採用したのは1920年、京都府の平安女学院であるとされ、そのセーラー服はベルトで腰の辺りを締めるワンピース型だった。
その後女子中学生・高校生の制服として、全国的に普及し現在に至る。セーラー服が全国に広まった背景には、東京大学を始め多くの学校が男子の学生服として立襟で陸軍式の5つボタンのチュニックを採用していたため、「それならば女子には海軍の軍服を」という理由があったとも言われている。
また制服をモデルチェンジした中学・高校に、「制服が可愛い学校へ行きたい」という女子が集まり、結果的に偏差値が上がって問題の多い生徒が減るなどの効果があった。そのため、1980年代後半から1990年代にかけて、特に郊外や地方都市の私立校でブレザーの制服に改める学校が増え、のちに公立校にもその動きは全国的に広がった。
現在では、セーラー服を採用している中学・高校はかつてに比べれば減ったものの、女子中高生にはいまも主流の制服である。タイや中国では、一部の学校で日本風のセーラー服に変えたところ、高校によっては志望者が大幅に増えたところもあった。