フグは山口県下関市が本場として知られるが、下関はフグの産地というよりは集積地である。下関近海でもフグは獲れるが、それ以上の数のフグが天然物、養殖物ともに日本全国や中国や韓国などの海外からも下関に集められる。
下関がフグの本場と言われる所以として、明治期に全国で最初にフグ食が解禁になった地が下関である。それ以降、下関には多くのフグ料理店ができ、現在のフグ料理の多くが下関で考え出されたことなどが背景にある。フグは猛毒があるため水揚げ後の加工が重要だが、この加工業者と加工場が前述の歴史的背景などから下関に集積している点が大きい。ふぐ料理公許第一号店は下関市の春帆楼。その後、山口県のみフグ食解禁の時期が続いた。
最近では水揚げ漁港の側で加工場などの整備を行い、地場の名産品とすべく独自ブランドを立ち上げるなどの努力も行われている。但し、加工業者と加工場の質や数の問題もあり、漁獲されたフグの多くが下関に集中する。