音程が不安定な歌声とその言動がせアイドルらしからぬことが、逆に人気を集めた水谷麻里 15歳だった。
資生堂が主催した「’86ミスヘアコロン・イメージガール・コンテスト」で約5万4000人の中からグランプリに輝きデビューのきっかけをつくった水谷麻里だが、熱烈な芸能界志望ではなく、いとこが勝手に写真を送り、ついには頂点まで立ち、デビューせざるをえなくなった、というのが実情だった。
受賞の瞬間に出た言葉は「どうしよう、恥ずかしい」。デビューが決まった時にも「私みたいなのを出して、会社がつぶれても知らないよ」とスタッフに話したとか。インタビューをしたマスコミ関係者が口をそろえて言ったフレーズが「不思議な女の子」だった。