一瞬迷ったが、アギノは共感し、先生は大人が自分一人だけなことに重責を感じていたためホッとして誰も異存はなかった。その話しに感心する教授
「それぞれの意見を尊重しているのが、私には珍しい。年齢の違いに関わりなく発言し、対等に喋り合うのを見ると、やはり別の時代の人たちだと思う」
先生と教授が寝ずの番をしていると、サーベルを持った3人の警官がやって来る
「治安維持法違反容疑で逮捕する」
銃で2人を気絶させ、また時間走行に入る
「彼らは特高だ 明治43年の大逆事件をきっかけに、特別高等課を独立させ危険思想の人間を片っ端から逮捕するんだ」
アギノのいる時代はもっと酷く、10年に1度、意識探査装置で調べられ危険思想と分かると、再教育し、最悪の場合は、強制的に意識改造をされるという
「そうしないと、しゃかいがくずれてしまうのだそうだ
そのため、きかくからはみだすにんげんを、きかくにはめこむのだ」
意識調査まであと6日となり、歴史が好きで、人間が自由に生きられる時代が好きなアギノは意識改造されるのが嫌で逃げてきた