SF作家の眉村卓さんは、大阪市生まれ。大阪大学経済学部を卒業後、大阪の耐火煉瓦(れんが)メーカーに勤めながらSF同人誌「宇宙塵(じん)」に参加。水星で働く連邦官と異形の生物との遭遇を描いた「下級アイデアマン」が、1961年に第1回空想科学小説コンテストに入選した。63年、初長編「燃える傾斜」の発表を機にコピーライターに転じ、65年に専業作家となった。
「なぞの転校生」(67年)や「ねらわれた学園」(76年)など、学園を舞台に不思議な登場人物との出会いを描いた少年少女向けのSFは、テレビドラマや映画になった。
また、組織内での個人の葛藤を一貫したテーマとし、未来社会での植民惑星の統治者である司政官を描くシリーズでは、「消滅の光輪」(79年)が泉鏡花文学賞と星雲賞、大長編「引き潮のとき」(88~95年、全5巻)が星雲賞を受賞。自伝的要素の強い「夕焼けの回転木馬」(86年)で日本文芸大賞を受賞した。
がんと診断された妻の悦子さんが2002年に亡くなるまで5年間にわたり毎日1編のショートショートを書き続けた実話は、「僕と妻の1778の物語」として映画化された。大阪芸術大学教授も務めた。
「年月と体験を重ねれば考え方も変わる。その時々にしか書けない作品がある」と話していた眉村さん。80代に入ってもなお執筆を続け、29年に出版した短編集「夕焼けのかなた」(双葉文庫)には、死にまつわる作品も目立った。
昨年夏のインタビューでは、衰えることのない執筆意欲について笑いながらこう語った。「妻の闘病中に書くのが習性になって、書いていないとサボっているような気持ちになる。書くことしか能がないんでしょうね」
たまにこのブログでもネタ切れの時に使わせていただいている眉村卓さんのSF小説。子供のころには良く近所の本屋さんで数多くの作品を買わせていただきました。
本を読むことが嫌いな私でも引き込まれる眉村卓さんのSF小説。それだけ魅力のあった作品が多かったです。角川文庫版のSF小説が良かったので、気になる作品は全て収蔵しています。
故人が亡くなられてしまったので、しばらく眉村卓さんのSF小説を特集します。皆さんも独特の世界観の虜になってしまいますよ(^^♪