
山下によれば、曲はバロック音楽でよく聴かれるコード進行なので、何かその種の風味を入れたいと考え、ふと“クリスマス”というテーマが思い付いたという。その時、シュガー・ベイブ時代にトライしたものの未完だった曲「雨は夜更け過ぎに」の歌い出しが突然頭によみがえり、あっという間に歌詞ができあがった。
さらに、どうせなら間奏に本物のバロックを引用しようということになり、パッヘルベルの「カノン」が選ばれた。スウィングル・シンガーズのスタイルを一人アカペラでやろうとしたことから8小節に48テイクを要し、半日費やされた。エンディングのコーラスが一転してアソシエイション風のアプローチになったのは、当時一世を風靡していたオフコースへの対抗意識から出たアイデアだという。