雪國は、歌手・吉幾三が1986年に発表した作品。作詞・作曲とも吉幾三による。
1984年末から1985年にかけて『俺ら東京さ行ぐだ』がヒットしたことから、吉幾三には最初コミックソング歌手のイメージがあったが、本作のヒットにより演歌歌手として本格的に認められた。発売からほぼ1年後の1987年(昭和62年)2月、オリコン、『ザ・ベストテン』で第1位となり、オリコン通算300曲目の1位獲得作品になった。
元々は栃木県那須のホテルであった宴会の席で即興で作った歌だったという。最初は「好きよ あなた」という歌い出しが「だめよ そこは」という下ネタ満載の、とても放送できるような詞ではなかったが、その後レコード会社のディレクターからメロディーの良さを買われ、真面目な詞にして作り直すことを提案された。その時、吉はNHKの『新日本紀行』の中で雪煙をあげて走る奥羽本線の列車の姿を観て、「女の人が男の人を追う詞にしよう」と、今の詞を思いついたという。イントロの印象的なストリングスは、当初エンディングに入れる予定だった。