稲荷寿司は、甘辛く煮た油揚げの中に、酢飯を詰めた寿司の一種。「お稲荷さん」「お稲荷」「いなり」などとも呼ばれる。
袋状に開いた油揚げを甘くあるいは甘辛く煮付け、寿司飯をそのまま、あるいはニンジンやシイタケなどの具材を煮込んで混ぜた寿司飯を詰める一種の印籠寿司である。
稲荷神社の稲荷神(五穀を司る宇迦之御魂神・倉稲魂命を参照)は商売繁盛と共に豊作の神様であり、米を使用した俵型の稲荷寿司につながる。一般的には米俵を模した俵型(円筒に近い直方体)に仕上げる。
味がしっかり油揚げに染み込むようにひっくり返し煮込み、ひっくり返したまま中身を詰めるもの油揚げの表面を炙ったもの、三角油揚げを用いて三角形に仕上げるものなど、地域によって異なる。
青森県津軽地方では、酢飯に紅ショウガとクルミを入れる。酢飯は紅ショウガにより全体がピンクに色付けされている。