和傘の里1970年 17分(8mm)
企画・制作:佐藤一夫
1965年ころから、郷土の伝統工芸を後世に残したいと8mm映画の製作活動に。最初に取り上げたのが、美馬市の和傘である。YouTubeのナレーションは、佐藤夫人が担当されているとのこと。
昭和30年頃、旧徳島県美馬郡美馬町には200軒の和傘店が並んでいましたが、現在はただ2軒だけで昔ながらの手法で和傘が作られています。
昔から、和傘づくりは骨の数ほど手間がかかると言われていますけど、1本を作りあげるのに1か月くらい。月に120~130本しか作れません。まず、傘の骨になる竹を組み立てます。
和紙を染め、油を引き、途中天日で乾燥させながら飾りつけや漆かけを行い、柄や傘の頭紙の仕上げをしていきます。出来上がりは1本ずつ違います。染めも注文にあわせていろいろな模様を作ります。
・・・と言うのは、伝統工芸師の資格をもつ中岡さん。この道65年の大ベテランです。長年の経験と勘が見事な傘をつくりだします。それでも、自分で上出来だと思えるものは3年に1本くらいしかできないといいます。まさに職人芸の粋。静かなブームの今、京阪神のデパートでは引っ張りだこになっています。