翌朝 とにかく克雄と和子は試合に出ることにした
和子の様子が少し変だったが、なにか怒っているのだろうか?
試合では和子は見事な勝利をあげた
男子は、互角で同点のまま克雄の番がきた
ふと見ると、和子の後ろに、由美子の兄がいて、2人は話し合っている
それが気になって、克雄は連続で5ポイントも落としてしまう
(考えちゃいけない 今は試合に全力を注ぐんだ)
それから克雄は連続でポイントを取り続けていった
名選手が絶好調の時に感じるあの透明な感覚が全身にみなぎっていた
新人戦は男女ともに勝った
由美子の兄に呼ばれて、逃げようとした克雄は和子に呼び止められた
「もう安全なのよ」和子は、靖子、母、由美子も呼んでいた