
「この団地は、昔、旧制高校だったけど、いろんな妙な話があったらしいぜ
気をつけて帰れよ こんな晩は何か出るかもしれない」とからかった
明日は中学の入学式だが、遅くまで話していて、克雄は後悔しはじめた
その時、後ろから尾けてくる足音がして、「こんばんわ」と声をかけられた
知らない少女だ 長い黒い髪で、彫刻のように整った顔立ちの美少女
「私は大森由美子 この団地へ引っ越してきたの お友だちになってね 明日から同じ中学生よ」
同じクラスの陽介と克雄の隣りの席は、気の強い目黒和子という女生徒で
初日から教師に怒られ、ケンカ状態になってしまう
クラブの入部勧誘では、陽介は野球部、克雄は卓球部に決めていた
卓球部の受付希望者名に和子の名前があって驚き、ため息をつく克雄
結局、由美子の姿はどこにも見えなかった