「ザンギ」って聞いたことがありますか? 北海道では一般的に鶏の唐揚げをこう呼んでいます。でも「ザンギはザンギであって唐揚げとは違う!」というこだわり派もなかには。今回は、そんなザンギと唐揚げの違いについてご紹介していきます。
まずはザンギの生い立ちから。その発祥は、北海道の東側に位置する街・釧路。さんまやししゃもなど多くの海産物が水揚げされる漁港があり、当地の居酒屋では新鮮な海鮮が名物です。
ザンギ発祥の店としてよく知られるのは「鳥松」というお店。もともと焼鳥店だった同店が開店して間もない1960(昭和35)年頃、ブロイラーの売り込みがあったことから、1羽まるごとぶつ切りにした唐揚げを出したのだとか。それがザンギの始まりなんだそうです。ちなみにザンギという名前は、中国語の炸鶏(ザージー、ザーチー)に、幸運の運(ん)を入れ、「ザー・ン・ジー」となり、ザンギと名付けられたのだとか。
しっかりと下味がつけられたザンギはそのまま食べても美味しいですが、タレをつけて食べるのが釧路流! 発祥の店「鳥松」では、ザンギ用に秘伝のタレが用意されています。
北海道民にとって「ザンギ」とは、昔から慣れ親しんだ「鶏の唐揚げ」のこと。唐揚げとザンギには、明快な違いはないと言えそうです。でも北海道民は鶏の唐揚げとあまり言わず、つい「ザンギ」って言ってしまうんですよね。