津軽海峡を見下ろす小高い丘の上に建つトラピスト修道院は、1896年(明治29年)フランスからやってきた9名の修道士によって設立されたカトリック修道院。そのトラピスト修道院で作られるクッキーがトラピストクッキーだ。
一口かじると、豊かで甘いバターの香りと、じゅわっと熱くなるような旨味が口の中いっぱいに広がる。その美味しさの秘密は修道士たちによって作り出される発酵バター。原料の約40パーセントしか取れないというこの発酵バターをふんだんに練りこむことによって、サクッと香ばしくてとろけるような美味しさのクッキーとなるのだ。昭和11年の製造開始以来、多くの人々に愛されてきた製品で、長らく函館土産の定番の一つとなっている。
かわいらしいデザインの黄色の一袋に三枚入っている。一枚当たりの大きさは、横7.4cm、縦3.2cm、厚さ0.4cm。軽くて薄くてさくっと口の中で崩れていく。クッキーの表面には「TRAPPIST LUTECE」の文字。「LUTECE」とは現代のパリの祖先となった町の名とか。
口の中いっぱいに広がる芳醇なバターの香り。コーヒーや紅茶はもちろん、牛乳と共に食べるのもおすすめ。思わず身悶えてしまうような、「熱い」旨味が体を駆け抜けていく。発酵バターはチーズのように発酵熟成させて作るバターで、香りが豊かで、消化がよいのが特徴。