1980年4月初版発行
ショート・ショートの中では面白い作品が多いです。ちょうど一分間だけ読めるような作品で、後書きに眉村卓自身がショート・ショート 一分間だけを書いたいきさつが書かれています。
これは眉村卓が設定する登場人物の名前が皆、似たようなものになるので少しでも違う名前にするにはアイウエオ順が良いと言うことで始めたそうです。しかし順を追って書くうちに濁音や半濁音も動員しなければならなくなり、“ん”に至っては大変辛い設定となったそうです。それでも面白くて“ん”の回まで読み切りましたが・・・
ともかく一冊の本に出来るほどのネタが溜まったので単行本の名前を筆者自身が考えたのだけれども適当な題名が思いつかない。もう一度ショート・ショートを見返してみると、ちょうどテの題名に“一分間だけ”と言う題名があった。このショート・ショート集は読者によっては時間をかけて読む人や30秒で読んでしまうヒトもいるかもしれない。平均的に一分間でもあれば読めてしまう作品が多いのではないか…そう思った作者がショート・ショート 一分間だけと言う題名を付けたそうです。