2019年1月1日、NASAとジョンズ・ホプキンス大学応用物理学研究所が共同で運用する探査機、ニューホライズンズ(New Horizons)が史上初めて、冥王星以遠のカイパーベルト天体探査に挑む。日本時間1月1日14:33には、目標天体ウルティマ・トゥーレ(Ultima Thule 2014 MU69)に最接近し、通過しながら観測を行う。
カイパーベルトとは、太陽系で海王星より外側にある惑星より小さいサイズの天体が集まった、30~50AU※の領域。オランダ出身のアメリカの天文学者のジェラルド・カイパーが1950年代に理論的に予測した。1940年代に同様の予測をしたアイルランド天文学者、ケネス・エッジワースの名をとってエッジワース・カイパーベルトと呼ばれることもある。日本語では太陽系外縁天体とも呼ぶ。
最初にカイパーベルト天体が発見されたのは1992年で、現在では1000個以上の天体が見つかっている。太陽の周りを回る周期が200年より短い、短周期彗星と呼ばれる彗星はカイパーベルトが故郷だと考えられている。
※AU(天文単位)は太陽と地球の距離を元にした単位で、約1億5000万キロメートル、光の速さで8分19秒かかる距離。