昭和40年代に現行の動物園正門が開設。地下の壁面には東京藝術大学の学生が描いたとされる「ペンギン」「ゾウ」の絵画がある。大掛かりな改修を受けなかったために、昭和初期のレトロな雰囲気を色濃く残していた。また自動券売機が設置されなかったため、当駅発行の乗車券は駅員による手売りとなり1980年代は硬券だった。
ホームや通路は薄暗く、壁はむき出しのコンクリート、さらには戦前、戦中、戦後にかけての長い営みを経てところどころ煤けていた。乗降客数が最も多かったのは、1972年(昭和47年)にジャイアントパンダが上野動物園に来園し、その後に起こったパンダブームの頃と言われる。
■休止に至った経緯
・休止直前は営業時間が7時台から18時台までで、1時間に1本も列車が停車しない時間帯があった(駅員は一人勤務。駅員の休憩時間確保のため)
・1933年の開業以来、本格的な修繕がなされていないため老朽化が進んでいた。
・自動券売機や自動改札機が設置されておらず、改修や維持に大規模な投資が必要だった。
・地下駅のため保安上の理由から無人化することができなかった。
・主な乗降客は土日の観光客を除き、周辺の博物館や上野動物園の勤務者で、平日の1日の平均乗降客数が500人未満と少なかった。