スモーキークォーツ(smoky quartz)は、水晶の一種で、石英グループに属する鉱物の変種。日本では、煙水晶ともいう。
煙水晶は、茶色や黒っぽい煙がかったような色をしている。色彩に発色する原因は、はっきりとは分かっていないものの、地中で天然の放射線を浴びたり、内部にアルミニウム・イオンが含まれるためとされている。
落ち着いた色合いから良質のものは、宝飾品や念珠として加工されたり置物や印鑑などの素材としても幅広く用いられている。
天然の煙水晶は、結晶(クラスター)の状態では見つかるものの、宝飾品になるほどの高品質のものは決して安価ではない。天然石ビーズとして流通しているものの中には、エンハンスメント(改良)と呼ばれる処理が施されているものが多数ある。安ければ安いほど、その傾向は強い。白水晶に人工的に放射線を浴びせて煙水晶にしたものもあれば、着色したものもある。その逆で、煙水晶を加熱処理して黄水晶(シトリン)として販売しているケースも見受けられる。