自然蒼鉛(しぜんそうえん、native bismuth)・自然ビスマスは鉱物の一種。化学組成は Bi。結晶系は三方晶系。自然砒グループに属する。 結晶形を示さず、塊状で産する。劈開がよく発達する。
天然には硫化物(輝蒼鉛鉱)として主に産出するが、自然蒼鉛として単体での産出も知られている。なお、鉱工業上はこれらの鉱物ではなく、主に鉛、モリブデン、タングステン精錬の副産物として生産される。
ビスマスは医薬品(整腸剤)の原料として、日本薬局方に収載されている。大きな熱電効果を示す物質であり、特にテルルとの合金は熱電変換素子として実用化されている。高比重・低融点で比較的柔らかく無害である事から鉛の代替として注目され、散弾や釣り用の錘、鉛・カドミウムの代替として黄銅への添加剤、ガラスの材料などとして用いられている。