(9)未明のセッティング
朝は午前5時に機材を観測地点に持って行き北極星の導入を試みました。夜間でも分かる雲が一つもない空は、クリアに晴れてポラリスらしき星がうっすらと肉眼でも分かります。事前に赤道儀のチェックをしたところ、電池が入っているのにモーター部分の振動がなく、スイッチを切り替えてもボタンを押しても動かず固定三脚で使うしかないことは分かっていたので気持ちが切り替わっていました。
セッティングが終わったらジェシー宅から使用許可を戴いている椅子を運びます。相方が起きるまで一人で機材の番をします。それでも同業者は現れなかったです。機材の先に見える東の空は天文薄明から航海薄明…そして星がみえなくなる市民薄明へと移ろいます。夜空が織り成す光のグラデーションは実に美しい。
気のせいか、うっすらと天の川が見えていました。セイラムの夜は気温が下がり、ジャンパーに長ズボンで寒さを乗りきりました。薄明が明けると徐々に気温が上がります。
昨日合流した村田さんが朝5時半頃にやって来て色々と談笑しました。息子さんが姉夫婦の息子と友達で親同士も仲が良く、村田さん自身は皆既日食を見て、これまでの人生に変化を付けようとセイラムに来られました。
村田さんに交代要員を連れてくるので、機材を見て頂けますかとお願いしたところ快諾されたので、トイレも兼ねてジェシー宅に設置されたテントに戻ります。…ちなみに右の写真は元々同じ写真ですが、ピントが合った写真がこれしか無かったので、全てPhotoshopで加工しています。
6時に起きて機材の見張り番を交代する予定の相方が起きて来ないので行ってみるとまだ寝ていました。鳴っているはずのアラームは消されていて気持ち良さそうに寝ている姿を見ると起こす気にはなれなかったのですが、約束なので起こしました。
何とか準備が済んだら午前7時に交代することを伝えて機材設置場所に戻りました。観測場所の下見に来ている方がいましたが、赤道儀を設置してまで観測する方は来なかったです。皆さん肉眼で観測するかも知れませんね。
やがて太陽が顔を出しました。Fairmont city parkは木々が多く木漏れ日から太陽が見えています。太陽が昇るに連れ気温が高くなり、午前7時にやっと相方が現れました。
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