JRねぶた実行プロジェクト・ねぶた師 竹浪 比呂夫
ねぶた大賞・最優秀制作者賞【総合1位】
鬼の住まう佐井(青森県佐井村)へやって来ると、頼義は海水で禊し、一心不乱に武運の神である八幡神へ加護を祈った。祈り続けること七日目。にわかに暗雲たちこめ、波は逆立ち翻り、突風が吹き荒ぶ。そこへ忽然と現れ襲いかかる悪鬼。身の毛もよだつ恐ろしい鬼の形相に苦戦を強いられる。
その時。一軍の前に顕あらわれたるは八幡神。青龍に護り導かれ、神馬にまたがると、神通力を宿した弓矢をすっと空へ引き放つ。するやいなや、邪気を祓はらう音が海に鳴り響き、雲を蹴散らすと、悪鬼を射貫いた。轟音をあげ落ち来る悪鬼。八幡神の助けを得、鬼退治をすること叶った。
頼義はこれに感謝し、神の箭やの根石(矢じり)がある場所に八幡神を祀ることとした。これが現在も佐井村に鎮座します箭根森八幡宮である。
神馬にまたがり、神変の弓矢を引き放ちて、まさにいま悪鬼を射落とす武神・八幡神の姿をねぶたに顕現す。
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