ダイナミックな作風で知られる古澤演出だが、日本一のゴマすり男では冒頭、植木演じる中等が実家で父親に頼まれゴマをすっているシーンの撮影時、そのすぐそばの竹かごに子猫を2匹用意させ、その愛らしさで観客の心をなごませることまで計算していたという。
後にザ・ドリフターズの一員として東宝クレージー映画に出演し、さらに末期には植木とコンビで主演を務めることになる加藤茶が、端役ではあるが植木との初共演を果たしている。この時点で既に芸名は「加藤茶」であったが、本作では本名の「加藤英文」となっている。
ラストに警官役で登場する谷啓は、ポスターやオープニング・タイトルにはクレジットされていない。同様のケースとして、本作の前年公開されたハナ肇主演の松竹作品『馬鹿まるだし』には、植木が出演しナレーターも務めたが、クレジットはされなかった。
ヤナセが撮影に協力し、当時ヤナセが取り扱っていた外車が登場する。外車は「1965年型ビュイック・スカイラーク」、「フォルクスワーゲン・カルマンギア」、「フォルクスワーゲン・カブリオレ」、「メルセデス・ベンツ 280SL」他。