天体望遠鏡は、(1)全天のどこへも向けられること、(2)地球の自転運動による天体の動き(日周運動)を常に追尾できることの2点が必要。
そのために天体望遠鏡を載せる架台は、(1)の目的達成のために少なくとも直交する2軸を持つ必要があり、(2)の目的達成のために、1軸だけで天体追尾を行う赤道儀式と2軸以上を使う経緯台式に分かれる。人工衛星観測用望遠鏡など特殊な用途では3軸以上の自由度を持つ架台もある。
上下の写真は、観光地などに設置されている有料の大型双眼鏡の架台としてよく見られる経緯台式架台である。水平軸と、それに直交した垂直軸の2軸で構成された架台である。
構造が簡単で加工しやすく安価に製造でき、動作もわかりやすく初心者向けの小口径望遠鏡に多用された。経緯台式架台は眼視用なので、写真撮影には向かない。小さな天体を見るには、微妙な揺れも見え方にとても影響してくる。