愛国行進曲は、戦前に広く歌われた国民的愛唱歌。作詞:森川幸雄 作曲:瀬戸口藤吉
1937年12月24日、首相官邸で内閣情報部内発表会として初めて公の場で演奏され、2日後の26日に日比谷公会堂で一般聴衆に発表された。曲想はあくまで明るく勇壮であり、「見よ東海の空明けて」の歌い出しに始まり、八紘一宇、皇国などの標語も織り込まれた歌詞はまさしく時代の昂揚した精神を物語るものである。
内閣情報部はこの曲の著作権をフリーとしたためレコード各社が競って録音し、1937年12月に一斉に発表された。日本コロムビアだけでも5種類の録音があったとされ、その他、ビクターやキング、ポリドール、テイチク、タイヘイレコードと有名各社でもレコードが制作された。下記に記入した有名歌手の吹き込み以外にも、歌い方指導や軍楽隊、合唱団のみの吹き込みも存在し、その数は20種類以上にも及び、累計売り上げは100万枚に上ると推定される。