蕎麦は、「蕎麦粉」、「つなぎ」、「水」を用いて作られる。つなぎを用いないこともあり、風味付けの材料を加えることもある。つなぎは一般的には小麦粉が用いられ、小麦粉に対する蕎麦粉の配合割合によって名称が変わる。他につなぎとして使用されるものは鶏卵(卵切り蕎麦)、長芋・山芋、布海苔(へぎそば)、こんにゃくやオヤマボクチなどがあり、それらを加えることで独特の食感やコシが発生する。また、風味付けに加えられる素材によって、胡麻切り蕎麦(黒ゴマを使用)、海苔切り蕎麦(海苔を使用)、茶蕎麦(抹茶を使用)などの種類がある。
蕎麦は、人力による手打ち、製麺機による製造にかかわらず、通常次の工程により作られる。
「水回し(ミキシング)」 - 蕎麦粉とつなぎを混ぜ、加水しながら撹拌し丸い蕎麦玉にする。手打ちの場合は「こね鉢」と呼ばれる木製の鉢を用いる。
「木鉢(プレス)」 - 蕎麦玉を繰り返し押しつぶすことで練り、粘着性を高める。
「延し(ロール)」 - 生地が張りつかないよう打ち粉した上で、薄く圧延し、平たい長方形型にする。手打ちの場合は木製の麺台に載せ、「麺棒」と呼ばれる木の棒を用いて圧延する。
「切り(カット)」 - 圧延した生地を幅1 - 2mm程度の線状に切断して麺の形とする。手打ちの場合はまな板に載せ、何層かに折り畳んだ後、「小間板」(駒板)と呼ばれる定規を当てながら蕎麦切り包丁で切断する。