月は地球の周りを公転していますが、その軌道が楕円形であるため地球と月の距離は時々刻々と変化しています。そのために月の見かけの大きさ(視直径)も、地球との距離が近いときには大きく、遠いときには小さくというように変化します。また、月の軌道は太陽や地球などの重力を受けてわずかに変化するため、月が地球に最も近づく位置(近地点)や最も遠ざかる位置(遠地点)での距離は毎回異なります。11月14日は月が20時21分に近地点(地心距離 約35万6千km)を通過し、南中時刻の少し前の22時52分に満月となります。満月の瞬間の月の視直径は約33分30秒角で、これが今年最も大きく見える満月です。
昇ってきたばかりの満月はそれほどまぶしくないため、表面の様子をよく観察できます。また、高度により月の模様は回転して見えるので、日本でよく言われているように「餅をつくウサギ」に見立てるには、昇ってきた直後のほうが想像しやすいでしょう。満月の頃の月は、日の入り前後に東の空から昇ってきます。月が低い位置にあるうちに、その大きさと月の模様を楽しみましょう。