JR北海道は留萌線(留萌・増毛間)の鉄道事業を廃止すると発表した。
1921年に留萌から増毛間の16.7kmをつなぐ交通手段として開通した留萌線だが、利用者の大幅な減少で年間約1億6000万円以上の赤字を計上していた。JRは鉄道を維持していくことは困難であると、来年度中の廃止について留萌市長および増毛町長に説明した。
留萌線は地質的特徴もあり土砂崩れが度々発生。徐行運転や天候状況による運休を余儀なくされるなど、将来にわたって安全を確保するためには数十億円に及ぶ多額の防災工事費が必要とも言われている。事実、2005年と2012年には雪や土砂に乗り上げた列車脱線事故も発生している。
当該線区には並行して路線バスが運行しており、本数も多く、沿線住民の利用も多い。現状、路線バスが生活の足になっているのも廃止の理由となった。1987年度に480人だった平均通過人員(輸送密度)が2013年には39人と12分の1以下にまで減少していた。