パルナス製菓株式会社は、関西を中心に事業を展開していた洋菓子の製造・販売会社。本社は当初、大阪市北区に所在し後に大阪府豊中市に移転した。
1947年に神戸で創業。1952年に会社設立、「パルピロ(ピロシキ)」「クレーモフ(シュークリーム)」などのロシア風菓子を中心に製造販売していた。最盛期には関西地区に多数のチェーン店を展開したが、1980年代後半以降は、不況や少子化に伴う洋菓子需要の落ち込みや、競合店による100円ケーキ販売等の熾烈な価格・販売競争により事業を徐々に縮小せざるを得ず、ついには「一定の役目は終えた。」として、黒字かつ無借金経営を保ちながらも2000年に事業を停止、2002年には会社も清算し55年の歴史に幕を閉じた。
パルナスが多くの人に知られる存在となったのは、ユニークかつ印象に残るテレビコマーシャルの効果に依るところが大きい。「モスクワの味」のキャッチコピーを打ち出した数々のCMの中でも、特に中村メイコとボニージャックスが歌ったCMソング「パルナスの歌」(津島秀雄 作詞・作曲)は、その悲しげな曲調とブルーバックに乳児の顔が映る映像、といった強い印象から、1975年以前生まれの関西人の多くにとってグランシャトー(1971年~)、ハナテン中古車センター(1973年~)のCMとともに強く記憶され、郷愁をかきたてる。