ハッブル宇宙望遠鏡による観測によって、エウロパの内部から水蒸気のプルーム(間欠泉)が吹き出している可能性があることがわかった。しかし、天文学者たちは慎重な姿勢を崩さない。今回の観測は緻密に検討された精度の高いものだが、最新のハッブルの画像からはまだ確実にプルームが存在するとは言えないという。
「プルームと考えられるものは数回発見されており、明らかだと思われるものもあります。しかし、それをプルームが存在する証拠と考えるのは時期尚早です」。そう話すのは、宇宙望遠鏡科学研究所のウィリアム・スパークス氏。「このような観測は、ハッブルの限界を超えるむずかしい挑戦なのです」
プルームが存在するのであれば、探査機にプルームを通過させ、衛星が噴き出した物質を収集して、海に生命が存在する可能性を調査することができる。これこそ、NASAが2020年代に計画しているミッション「エウロパ・クリッパー」だ。