青森県南西部と秋田県北西部にまたがる白神山地。130,000haに及ぶ広大な全地域のうち、世界最大級の規模で原生のブナ林が残る中心部は、全人類の宝物として世界遺産に登録されている。アオモリマンテマ、エゾハナシノブをはじめ、多種多様な植物が茂る世界遺産登録地域に一歩足を踏み入れれば、自然のままの森の姿や滝、湖など四季折々の美しい自然に目を奪。人の生活の影響をほとんど受けていないため、森にはツキノワグマ、ニホンザル、イヌワシなどの動物も生息している。
そんな豊かな自然に包まれた白神山地で、1000年以上も前から生活をしてきたのが「マタギ」と呼ばれる人々。山で暮らすための独特の作法や戒律を守りながら、狩猟や山菜採り、渓流での漁などを行ってきた狩猟集団である。かつて東北地方各地にはマタギが暮らす多くの集落があったが、白神山地にもいくつかのマタギ集落があった。ツアーでガイドをしてくれるのは、現代に残る数少ないマタギの1人である工藤光治さんを代表とする白神マタギ舎の人たち。マタギの文化に触れ、マタギしか知らない白神山地を巡る、一般の白神山地ツアーとは一線を画すトレッキングプログラムだ。