弘前駅前にある食品市場「虹のマート」の名前は実は愛称。正式名称は、弘前食料品市場です。
明治27年に青森→弘前間が開通された奥羽本線ですが、弘前駅は中心地から遙かに離れた位置にあり、昭和30年代でもまだ田んぼの残る農地だったそうです。その頃、弘前で問屋業等を営んでいた経営者達が、この弘前駅前に食品市場を作ろう考えます。田んぼばかり広がるところで市場を開いても経営はうまくいかない、と多くの方々に心配されながら昭和31年10月に市場を開場します。しかしそんな心配は杞憂でした。 駅前という立地条件は、中心市街地に負けない好条件で、大いに賑わいます。
弘前は港を持たない内陸の街。新鮮な海産物があるこの市場に、これまで青森や近隣の鰺ヶ沢まで行っていたたくさんの人が集まってきました。その勢いのまま昭和47年には、その規模を3倍にする大店舗に生まれ変わります。
その後、隣接地に大規模なスーパーが建ち、経営が危ぶまれましたが、逆にそのスーパーの立地は駅前地区へ多くのお客様を呼び込み、虹のマートへもたくさんの人を誘引していきました。平成6年に区画整理によってもう一度大改修が行われ、今の虹のマートになります。