複素平面は、数学における複素数の幾何学的表現である。複素平面とは、直交座標 (x, y) の位置に複素数 x + iy を対応させた平面のことである。これは、数直線の拡張になっている。x 軸を実軸、y 軸を虚軸 と呼ぶ。複素平面を利用すると、複素数の極座標による表示である極形式を幾何学的に捉えることができる。特に「積の偏角は偏角の和に等しい」という性質を視覚化して捉えることができる。
また平面幾何学における反転についても、複素平面上で考えるとという比較的簡単な変換式で捉えることができるという利点がある。
無限遠点 ∞ を追加して1点コンパクト化するとリーマン球面が得られる。複素平面よりもリーマン球面の方が捉えやすくなる。
複素平面は、1811年頃にガウスによって導入されたためガウス平面とも呼ばれる。それに先立つ1806年に Jean-Robert Argand も同様の手法を用いたため、アルガン図とも呼ばれている。このように複素数の幾何的表示はガウス以前にも知られていたが、現在の形式で複素平面を論じたのはガウスである。