

カッシーニ探査機の観測結果を分析した米国ジェット推進研究所の発表によると、エンケラドゥスから噴出した水蒸気や氷の粒子がプラズマになり、土星の磁場に取り込まれることによって土星磁場の回転速度がわずかに遅くなることが判明した。つまり、電波観測によりこれまで求められていた土星の自転周期は、エンケラドゥスの影響により実際の土星の自転より長くなってしまうことを意味する。
2014年4月3日、米航空宇宙局(NASA)は、土星探査機カッシーニの観測によってエンケラドゥスに液体の水の大規模な地下海の証拠が発見されたと報告した。地下の海の証拠はエンケラドスは「太陽系で微生物が生息する可能性の最も高い場所」の一つであることを示唆している。2015年9月16日、NASAは7年以上に渡るカッシーニによる観測の結果、エンケラドゥス表面の氷の下に広がる海が星全体を覆っていることが分かったと発表した。研究者によると、土星を周回することで起こるほんの小さな振動が観測され、これは氷の下に液体の海が星全体に広がっていることでしか説明できないとしている。