アマルテアは、木星の第5衛星。2007年までに発見された衛星の中で内側から3番目の軌道を回る。同様にガリレオ衛星より内側を回っている木星内部衛星群をアマルテア群と呼ぶ。1892年9月9日にエドワード・エマーソン・バーナードによって、91cm屈折望遠鏡の肉視観測で発見された。
直接の目視によって発見された最後の衛星で、ガリレオ衛星以来最初に発見された木星の衛星である。平均直径 189 kmで、いびつな形をしている。エウロパの1/15の大きさであり、木星の衛星の中ではガリレオ衛星に次ぐ5番目の大きさである。しかし、ガリレオ衛星が木星に近い内側ほど密度が大きい傾向があるのに対し、アマルテアはそれより内側にあるにもかかわらず密度は液体の水程度と測定されている。赤みがかった色をしているが、イオから噴出した硫黄のためである。イオと同じく熱の吸収より放出の方が大きい、これは木星の潮汐力により内部が熱せられるからである。
アマルテアの内部構造は、密度が低いことから氷が主体か、もしくはラブルパイル構造になっていると考えられている。木星の重力に捕らえられた小惑星かもしれない。実際、アマルテアの赤外線スペクトルは、炭素質小惑星が起源と考えられている隕石の幾つかに類似している。