水星は、太陽系にある惑星の1つで、太陽に最も近い公転軌道を周回している。岩石質の「地球型惑星」に分類され、太陽系惑星の中で大きさ、質量ともに最小である。赤道面での直径 4,879.4km は地球の38%に過ぎない。水星よりも大きな衛星は木星のガニメデと土星のタイタンがある。
天球上での見かけの明るさは-0.4等から5.5等まで変化する。水星は太陽に非常に近いため、日の出前と日没直後の時間しか観察できず、時期によっては望遠鏡でも見ることが難しい。これは太陽との最大離角が28.3度に過ぎないためである。
アメリカの探査機マリナー10号(1974年 - 1975年)が初めて水星へ接近し、地表の約半分の地図が作られた。撮影された映像から、水星には多数のクレーターがあり、月と非常によく似た環境だと考えられた。依然として分からないことが多い惑星だが、2008年に探査を始めたアメリカのメッセンジャーや2016年に打ち上げ予定の日欧共同プロジェクトベピ・コロンボなどによって、探査の進展が期待される。