■ヤップ州の地理
今回通過する皆既帯は、ヤップ州の離れ小島や環礁がほとんどなので、ヤップ州について記述します。この州旗は、石貨とカヌーを表します。ヤップ州はミクロネシア連邦に属する4州の一つで、西太平洋カロリン諸島にある島々。石の貨幣で有名なヤップ島本島と、周辺の環礁・無人島群からなります。州都はヤップ島のコロニア(Colonia)。人口は約1万人。ヤップ州の時間は、日本標準時+1時間(UTC+10)です。
紀元前3500年以上前、インドネシア、フィリピン、ニューギニア、ソロモン諸島方面より木のカヌーで人類が航海し定住したとされています。古代ヤップ帝国の最盛期には、人口5万人にもなったとも言われます。州都があるコロニアではパンノキを船体にした縫合船のシングル・アウトリガーカヌーが作られ、広く用いられています。小さいものはラグーン内での漁労用ですが、大きなものは十名近い乗員を乗せて数日間以上の外洋航海を行うことが可能な航海カヌーです。カロリン諸島からヤップ島への貿易には、このような航海カヌーが欠かせないものでした。またヤップ島の石貨の中でも古い時期のものは、航海カヌーによってパラオから運んで来たものと考えられています。
ヤップ島はグアム島南西約800kmに位置し、約160,000km²に広がる4島と約130の環礁からなります。そのうち22島以外は、すべて無人島です。サタワル島をはじめとする州の西側では伝統的な遠洋航海術が現代まで継承されています。ヤップ島本島は79.5km²。州全体では約102km²。
11月 - 5月は北東から吹く貿易風の影響で雨が少なくなります。6月 - 10月は風が弱まり、湿度が上昇します。 年平均気温は28℃程度、年降水量は3000mm。住民のほとんどが農業と漁業の自給自足で、タロイモの栽培も行われています。コプラの生産や、衣服、バスケット、絵画・彫刻などの製造などの手工業が主産業。近年では観光産業も発展し、スキューバダイビングなどを目当てに来る外国人対象のツアーが人気です。
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