美ヶ原は、八ヶ岳中信高原国定公園北西部にあり、長野県松本市、上田市、小県郡長和町にまたがる高原。日本百名山の一つ。フォッサマグナ西縁近くに噴出した第四紀の火山である。
かつては楯状火山とその溶岩台地と考えられてきたが、現在は安山岩質の組成を持つ火山の浸食地形と解釈されるようになった。最高峰は王ヶ頭(2,034m)。王ヶ鼻(2,008m)、茶臼山(2,006m)、牛伏山(1,990m)、鹿伏山(1,977m)、武石峰(1,973m)といったピークがある。山頂付近は平坦な台地状の地形で、美ヶ原牧場と呼ばれる牛の放牧地となっている。
長野県のほぼ中央に位置し、県内の広範囲を見渡す事ができる。 この事から、長野県の放送局(NHK、SBC、NBS、TSB、abn、FM長野)の送信所のほか、NTT、国土交通省、長野県防災行政無線、などの中継所、中部電力のマイクロ波反射板などが建てられており、放送・通信の要衝となっている。
YouTubeに映っている美しの塔は、美ヶ原高原にある塔。1954年(昭和29年)に霧鐘塔(霧で視界が悪い時に登山者のために鳴らす鐘の塔)として建てられた。現在の塔は1984年(昭和59年)に再建されたもので、高原のシンボルとなっている。美ヶ原産の鉄平石でできた高さ6mの塔で中は避難場所となっている。塔には尾崎喜八の詩集『高原詩抄』に掲載された詩「美ヶ原溶岩台地」が刻まれている。毎年4月25日に塔の前で開山祭が行われる。