■スマトラ島の地理
スマトラ島は、インドネシア共和国の大スンダ列島に属します。島の面積は473,600km²あり、世界でも第6位の面積がある島です。西海岸沿いに火山活動を伴うバリサン山脈が走り、最高点はクリンチ山 (3,805m)。メダン南のトバ湖はここ200万年で地球最大の噴火が起こった跡のカルデラ湖。避暑地、観光地として有名で、湖に浮かぶサモシール島はバタク人の伝統家屋や舞踊などが楽しめます。中部高原はスマトラ島の人口が集中しますが、東海岸の大部分は湿原が展開して人口は希薄です。北部アチェ州は古くから交易が盛んで、インドネシアで最も早くイスラム教を受け入れました。ほぼ中央部を赤道が走り、高温多雨。主要都市はメダン、パレンバン、パダン。
■パレンバンの地理
パレンバンはインドネシアのスマトラ島の南側にある南スマトラ州の州都です。この都市はかつてはシュリーヴィジャヤという仏教徒の王国の一部で古代の首都でしたが、1025年にインド南部のチョーラ朝からの海賊の襲撃を受けたことによって次第に勢力を失いました。
1602年にはオランダ東インド会社が創立され、以降インドネシアは長年に渡りオランダの植民地であり続けたため、主要地であったパレンバンでは当時の洋式建築遺跡が見られます。市を東西に通過する形でムシ川が流れ、「ジュンバタン・アンペラ」と称する大きな昇降橋が街を結びます。
パレンバンの人口は、約150万人ほど。赤道に近い南緯3度に位置するので非常に暑いです。3月でも最高気温が31℃、最低気温は24℃ほど。
インドネシアは熱帯雨林気候なので、常に蒸し暑いです。皆既中は太陽が月によって隠されるため、直射日光が地表には届きません。観測前より5~10℃も気温の下がることがこれまでの観測から確認されています。
■パレンバンのDATA
パレンバンは、2016.3.9の皆既帯で最も人口が多い街。近隣には空港もあります。ホテルも充実しており、日本から直行便も運行しています。アクセスはNo.1ですが、3月の平均雲量は75%と高く皆既中の太陽高度も17度なので、パレンバンの衛星画像を参照して観測に役立てて下さい。
パレンバン市街自体も皆既帯の中に位置していますが、より継続時間が長く続くのは市外の北部になります。たまたまパレンバン空港が市街の北部にあり、2分弱の皆既日食が楽しめます。皆既中の太陽高度は空港北側の駐車場付近で17度になるので、参考までに1997.3.9にシベリアの荒野で撮影した太陽高度20度の皆既日食写真を右横に貼りました。
Palembang Airport(パレンバン空港北側の駐車場付近)
2° 53´ 37.4" S △T=68.2s
104° 42´ 13.7" E
Magnitude at mid eclipse : 1.01184%
Moon/Sun size ratio : 1.03242
total solar eclipse : 1m 59.9s
Event Date Time (WIB) Alt Partial
Sunrise 2016/03/09 06:10:00.0 -00.2° 0.00%
(C1) : 2016/03/09 06:20:31.2 +02.4° 0.00%
(C2) : 2016/03/09 07:20:44.8 +17.4° 100.00%
(MAX) : 2016/03/09 07:21:44.5 +17.7° 101.18%
(C3) : 2016/03/09 07:22:44.7 +17.9° 100.00%
(C4) : 2016/03/09 08:31:25.0 +35.0° 0.00%
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