バブ・エル・マンデブ海峡は、アラビア半島南西部のイエメンと東アフリカのエリトリア、ジブチ国境付近の海峡である。この海峡で紅海とアデン湾を分け、その先のアラビア海へと続いている。海峡の幅は30kmほどしかなく、しかも東部にはペリム島(イエメン領)、西部にはサワビ諸島(ジブチ領)があり、航路はさらに限られる。
名の由来はアラビア語の「涙の門(悲しみの門)」である。これは海峡の幅が狭くまた潮の流れが急で、しかも毎年11月から数ヶ月ほどは季節風が強くインド洋の方向から地中海の方へ向けて吹くため、地中海からインド洋へ航海する帆船にとっては海峡を通過するのが極めて困難だったことを表して「涙の門」と船乗りから呼ばれたものと伝えられる。また名前の由来にはもうひとつアラビアとアフリカを分断した大地震の伝説に由来するという説もある。