JR北海道が、来年3月のダイヤ改正に合わせて石北線の上白滝、旧白滝、下白滝の3駅を廃止する意向が明らかになり、3駅がある町白滝地区の住民などから惜しむ声が上がった。白滝の名前が入った3駅は鉄道ファンにも人気があり、「全国でも珍しい観光資源が失われる」との指摘もある。 JR北海道旭川支社によると、3駅の乗降客数のデータは非公表だが「ごくわずか」という。
旧白滝駅を利用する遠軽高3年の原田華奈さん(17)は「旧白滝で乗り降りしている人は自分以外にほとんどみかけない」とし、「私が卒業したら廃止になるかもしれないと聞いていたが、実際になくなるのは寂しい」と残念がった。遠軽高によると、上白滝、下白滝の各駅を利用する遠軽高生はいない。
白滝地区自治会連合会の斉藤雅俊会長(69)は、上白滝駅が1日1往復しかなく、上川駅(上川管内上川町)との駅間距離が34キロで国内有数の長さであることを挙げ、「珍しさから全国の鉄道ファンが来ているようで人気がある。3駅の駅舎は記念に残してほしい」と訴えた。
白滝の無人駅などを取り上げた「北の無人駅から」の著者渡辺一史さん(47:札幌在住)は「大ショックです。JR北海道の厳しい経営状況を考えると致し方ない面もあるが、合理化による無人駅廃止の流れは残念だ」と指摘。廃止される3駅と白滝駅の計4駅について「全国でも珍しいローカル区間で、鉄道好きに行ってみたいと思わせる駅の代表格。自分自身、それを地域再生の核として生かせないか考えてきたので、力になれなかったという反省の思いがある」と話した。