渋川市におけるへそ祭りは、1983年(昭和58年)に寄居町へそ祭りとして開催されたのが始まり。大型店が郊外に進出する中、古い宿場の町並みが残る渋川市中心商店街はモータリゼーションへの追従が難しく、沈滞ムードが漂っていた。そこで渋川商工会議所は商店街の活性化を目的に、渋川市が日本の真ん中、すなわち「へそ」に当たることから「へそ祭り」の開催を企画した。
1983年7月、渋川商工会議所の副会頭にして渋川寄居町の役員でもあった石北市太郎は、寄居町商友会のメンバーとともに、へそ祭りの先進地である北海道富良野市に赴き、北海へそ祭りを視察。地元寄居町の協力に加え、市や商工会議所の賛同を得て、同年8月にへそ祭りを2日間に渡って開催した。客に振る舞うために用意した500個のへそ饅頭が瞬く間に品切れとなるほどの集客で、祭りは成功裏に終わった。
寄居町へそ祭りの成功を受け、へそ祭りは渋川市の年中行事として、毎年7月25日から7月26日の2日間で開催されるようになった。当時の渋川市長・登坂秀は、市の予算に補助金を計上するなど積極的に支援し、これまで毎年個別に開催されてきた渋川七夕まつりや、みゆきだ花火大会を、へそ祭りの一環として組み入れた。1989年(平成元年)度の時点で、祭りの参加団体は渋川市役所や群馬銀行など45を数え、踊り手は3,000人、見物客は15万人であった。