上の画像は、冥王星に接近中の無人探査機ニューホライズンズが約76万6000キロ上空から2015年7月13日に撮影した冥王星。白っぽいハート形の模様が正面に見える。
米航空宇宙局(NASA)は2015年7月14日、無人探査機「ニューホライズンズ」が打ち上げから9年半の旅を経て、日本時間の同日午後8時49分ごろ、冥王星上空に到達したと発表した。探査機が冥王星へ接近するのは史上初。接近観測にも挑み、冥王星を通過後はさらに遠くにある太陽系の小天体観測へ向かう。
探査機は現在、地球から約48億キロ離れており、探査機の現状を確認する通信には片道約4時間半かかるが、探査機は秒速約14キロのスピードで冥王星から約1万3000キロに近づいた。NASAのアラン・スターン主任研究員は「私たちは太陽系(の主な天体)の初探査を達成した。米国が偉業を成し遂げたことを誇りに思う」と喜びを語った。
探査機は、2006年1月に打ち上げられた。冥王星上空から地表や大気の組成などを観測する計画で、最接近時の観測が成功したかどうかや詳しいデータは、15日に公表される見通し。観測データ全てが地球に届くまで16カ月かかるという。
探査機が撮影した画像などから、冥王星のクレーターと見られる地形や表面の模様が確認された。NASAは14日、冥王星から76万6000キロの場所から13日に撮影したハート形の明るい模様が確認できる画像を公開。同じ模様は7日も撮影されたが、輪郭や地形がくっきりしてきた。