ニセアカシアの和名は、ハリエンジュ(針槐)と呼ばれる。日本には1873年に導入された。日本やヨーロッパの自然環境に定着したニセアカシアは、外来種として多くの問題を発生させている。ニセアカシアが侵入したことでアカマツやクロマツなどのマツ林、ヤナギ林が減少し、海岸域や渓畔域の景観構造を大きく改変させていることが確認されている。ニセアカシアは単独で木本の生物多様性を低下させるだけでなく、好窒素性草本やつる植物をともなって優占し、植生を独自の構成に変えてしまう。また、カワラノギクやケショウヤナギなどの希少種の生育を妨害する。
これらの悪影響を危惧し、日本生態学会は本種を日本の侵略的外来種ワースト100に選定した。日本では外来生物法の「要注意外来生物リスト」において、「別途総合的な検討を進める緑化植物」の一つに指定されている。各地の河川敷などに猛烈な勢いで野生化しており、2007年秋には天竜川、千曲川流域の河川敷で伐採作業が行われた。
一方で、生産量全国第3位の長野産はちみつの約8割がニセアカシアの花を「みつ源」としていることもあり、全国の養蜂業者による「日本養蜂はちみつ協会」は「アカシアを守る会」を結成しリスト指定に反対している。
明治期に日本に輸入された当初は、このニセアカシアをアカシアと呼んでいた。後に本来のアカシア(ネムノキ亜科アカシア属)の仲間が日本に輸入されるようになり、区別するためにニセアカシアと呼ぶようになった。しかし、今でも混同されることが多い。本来のアカシアの花は放射相称の形状で黄色く、ニセアカシアの白い蝶形花とは全く異なる。下記は、すべてニセアカシアとされる。
・札幌のアカシア並木
・札幌松坂屋開店時のキャッチコピー「アカシアの花白くいま開く松坂屋」
・アカシア蜂蜜として売られているもの
・西田佐知子のヒット曲「アカシアの雨がやむとき」に歌われる「アカシア」
・石原裕次郎のヒット曲「赤いハンカチ」に歌われる「アカシアの花」
・北原白秋の「この道」に歌われる「あかしやの花」
・清岡卓行の小説「アカシヤの大連」で知られる中国の大連市を代表する樹木
・松任谷由実の「acacia(アケイシャ)」(2000年代)
・レミオロメンの「アカシア」